税務上「妥当」な役員退職金の決め方・考え方
ご存知のとおり、役員退職金の税務は面倒・リスクを伴います。
創業者などの特別功労者に対する退職金支給額を決定するときの理由付けについて、ひとつのサンプルです。議事録にも明記しておきましょう。
会社設立以来、終始一貫して実質的な支配権を有し、常に会社運営の重要な企画に当るほか、自らも販売営業の陣頭指揮に立ち、従業員育成にも注力し、財務金融面に卒先して携わるのみならず、資金繰りが苦しい際は私財の投入や担保提供をし、現在の会社の基盤を醸成し、その貢献度は著しく高いものと認められる。このように特に優れた経営活動による貢献については、特段の考慮をするのが相当であると判断した。
それでも、創業者や連帯保証人といった功労加算を含んだところで、功績倍率は3倍以下に敢えてするのが税務上のセオリーだと私は考えています。税務調査で否認され、裁判で争った場合、裁判官は3倍よりも少なく判断する場合が多く、圧倒的に納税者に不利となります。
従いまして、税務調査で問題視・否認されずに、「税務において決着」を目指すことを実務上は優先すべきだと私は考えます。